器の底

器の底





うすいコーヒーを飲みつつ



不甲斐ない我が身を嘆く



なにゆえ無駄に起居し



なにゆえ無駄に飲食し



なにゆえ無駄に息をし



なにゆえ無駄に過ぎるか



説く説く言葉によれば



無駄は何ひとつ無いという



どうしてその言葉がいま



信じられることがあろうか



絞り出し絞り出しして



かろうじてこれを書く



うすいコーヒーはもはや



器の底を透かせている






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