火薬時代

火薬時代





心の焦げついたところが



ぼろぼろと欠け落ちる



焼きすぎたパンの屑が



隅に溜まってゆくように



それが火薬になろうとは



ああそれが身を滅ぼそうとは



火薬は日に日に溜まり



気がつくと満杯になり



火気厳禁のステッカー虚しく



ついに引火してしまうだろう



若者が生き延びてこれたのは



清らかな夜空を仰いだとき



積もり積もった火薬を



涙で洗い流したからだ






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