残量

残量





残量を気にしている



バッテリーがないのだという



しっかりしろ



バッテリーなんて無い



残量なんて誰が決めた



きみらはまだ育ち盛りだ



表ではトラックの荷台に



子馬が乗せられてゆく



女の子の赤い靴の中に



石膏が注ぎ込まれてゆく



バッテリーが危ない



もう残量がやばい



彼らの小さな窓には



赤い水飛沫(しぶき)が飛ぶ



斃せ斃せ斃せ



本能が愉しそうに叫ぶ



しっかりしろ



きみらのバッテリーは



無くなりはしない






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