氷山の陰





氷山の一角を



毎日少しずつ



削り落としては



解けるか解けぬうち



すすって喉を潤し



やっと生きた心地し



近頃の暑さで



氷山が一気に



解けて消えないかと



気を揉むことに疲れ



ついうとうととして



はたと目を覚ませば



氷山はややと流れ



慌ててまた追いつき



ああいつかこの氷山が



陸地へと辿り着いたら



どんなにか気持ちも



奮うことだろうと



うとうと夢見し



いまはともかく



必死にしがみつき



暑さが和らぐのを



削り削りしながら



耐え忍ぶばかりよ






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