ミクロン

ミクロン





この雨はどこへ行くのだろう



この小さな一粒一粒はどこへ



重さをもったその時から



遥かなる旅は始まった



風にもまれたときには



ほかの粒とぶつかりながら



風も光もないときには



孤独の時間を過ごして



ついに長い旅路の果て



重力の終焉を迎えた



それでもなお小さな粒は



どこかへ行こうとしている



小石の隙間へ入り込み



まだ重力を探そうというのか






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