余命

余命






生まれ落ちてすぐ


余命は動き出す


誰にも知られず


本人も分からず


こうしている間に


どこかで誰かの


余命が尽きても


窓の枠は素知らず


空を切り取って


祝福の鳥たちが


輪になって飛んでも


氷河が数ミリだけ


流れるようにして


儚く美しく


余命は動き出す









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