冬の蝉

冬の蝉






いつになれば変わるのか


それとも変わらないままか


蝉のさなぎは樹を登り


止まったままで動かない


いつしか夏は過ぎ去って


枯れた葉っぱが舞い落ちる


それでもさなぎは背中から


外へ出てゆくことをしない


変わることを恐れれば


空を飛ぶことはできやしない


変わることを恐れれば


その樹で死んでしまうだろう


雪がちらちら降ってきて


渡り鳥は北の空


蝉のさなぎの背中には


抜け出た跡がついていた











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