クロいシロアリ

クロいシロアリ







甘い甘い飴玉に



群がるクロアリの中で



一匹だけもぞもぞと



朽ちた樹皮をかじっている



誰も見てはいないのに



おどおどしてかじっている



もしも見つかったならば



どんな仕打ちがあるのか



仲間外れになるのか



川へ突き落とされるか



そんなことを恐れている



恐れながらかじっている



時々甘い飴玉を



舐めているフリをして



クロいシロアリであることを



いつか堂々言えるまで







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