茶色い空

茶色い空






ハナミズキの萼(がく)が



色彩を搾り出し



その役目を終えて



空から切り離され



ふと下を通る女の



肩に下げた鞄の



開いた口から中へ



滑り込んだときに



このわずかな間の



地へ向かう萼と



西へ向かう女の



点と点と線と線の



なんたる巡り合わせ



何も知らずに女は



萼を連れていった







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