おとぎの国

おとぎの国







ブラインドを下げた会議室



産声をあげたおとぎの国



会議室を抜け出して



蛍光灯の下へ落ち着く



コンセントから電気を汲み



黒い箱に染み込ませて



呪文のような文字と一緒に



おとぎの国を世界へばら蒔く




少年はマクドナルドのテーブルで



おとぎの国を小さな窓から覗く



覗きながらあれこれ指示を出し



国の支配者へとなってゆく



つくり出されたおとぎの国に



少年自身がいることも知らずに








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