平成の標本

平成の標本







平成の世人(せじん)の



神経を掘り出し



熊の毛皮のように



壁に貼りつけた



中央に走るのは



太い中心の線



そこから手や足先



顔面へと岐(わか)れる



全体的に黒ずみ



野太さがある



細いはずの抹消は



繊細さがなかった



そのわりに切れやすく



すぐに傷んでしまう



弾力はまるでなく



脆い神経であった








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