書斎にて回想録

書斎にて回想録






芋畑をこしらえてさ



肥料をまいたりさ



雑草をとったりさ



芽が出たときなんてさ



生活は苦しいのにさ



すっかり嬉しくなってさ



明日の朝が楽しみでさ





リムジンが唸りながら



若い新郎新婦を乗せて



ぐわりぐわりと過ぎ去った



芋畑に轍を深く残して





おれはあの時ほどさ



怒り狂ったことはないけどさ



どんなに豊かになってもさ



あんな連中のようにはさ



決してなるめえと思ったのさ








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