逍遥飛蝗(しょうようばった)

逍遥飛蝗(しょうようばった)






がさがさと歩いている



跳べなくなったからね



足が良かった頃は



跳んでばかりいたものさ



小さな川くらいなら



軽くひとっ跳びだよ



それが今じゃどうだ



川辺に下りるもひと苦労



高を括っていたんだな



足が悪くなるはずないと



闇雲に跳んでばかりで



何も考えていやしなかった



笑いたければ笑うがいい



おめぇもせいぜい気をつけな



跳べなくなったバッタはな



生きていても喜び半分だ







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