新天地

新天地






新しい流れを求めて


魚はさまよっていた


水は常に冷たくて


体はぶるぶる震えた


日が落ちてしまえば、


すべてに闇がかかり


悪夢の囁きのような


水音だけが響いた


もうそろそろ疲れたと


目を閉じてしまうと


体は木片のように


流され始めていた


そばらくもみくちゃにされ


やがて気配は静まり


目をうすうあけてみると


この世に生まれ落ちていた









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