小さな傷たち

小さな傷たち






小さな傷というものは



いつか跡形もなく消える



例えばそれが後になって



残したい傷だったとしても



痛みなど早く忘れたい



ぼくたちはそう信じてきた



傷なんて早く消し去りたい



それが当然だと思ってきた



小さな傷たちはそうして



空のかなたへ溶けていった



きっともう大丈夫だよね



そんなことを言い残して






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