あの星の下

あの星の下






死に場所を求めて


コオロギは彷徨う


数日前の雨が


黒いヘドロになる


月か何かの電灯か


丸い明かりが映る


剥き出しの鉄筋が


星を指差している


コオロギは見上げて


ひとつひりりと鳴いた


あの星の下には


死に場所があるのだ


きっと満天の星が


迎えてくれるはずだ


あぁまだ脚は動き


跳ねることもできる


往(ゆ)こう往こう往こう


途中で尽きようとも







2014.7.6

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