白湯(さゆ)

白湯(さゆ)





ただのお湯だと



きみは言う



右手で掬(すく)ってみせるのは



桶に張られた



ただのお湯



右手が濡れたその時から



きみの右手が濡れた時から



ただのお湯は



ただのお湯ではなくなった



右手からこぼれ落ちたそれは



桶の上とぼくの上で



幾つもの丸い輪になって



広がっていった





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