哀しい音色

哀しい音色






オカリナを吹いても



哀しい音色しか出ません



それはきっと哀しい



哀しい血が流れているから



吹く息も哀しい温度を



哀しい温度を含むのです



だから傷みに耐えてでも



哀しい血を流し続け



新しい林檎を食べます



それは美しい林檎です



楽しくなるような林檎です



いつの日か哀しい血が



楽しい血に入れ替わった時



オカリナの音色もきっと



変わっていることでしょう







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