荒れた波間で

荒れた波間で






どうして櫂(かい)を手放したか



あなたがたにはわかるまい




櫂を手放したわたしは



手で水を掻き進む



それはそれは大変なこと



ちっとも前に進まない



櫂を手放したわたしは



腕がすっかりくたびれた



これがこれが大変なこと



すっかり体が記憶した




どうして櫂を手放したか



わかってくれただろうか



再び櫂を手にしたとき



その重さを知ることだろう






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