荒れた波間で

荒れた波間で






どうして櫂(かい)を手放したか



あなたがたにはわかるまい




櫂を手放したわたしは



手で水を掻き進む



それはそれは大変なこと



ちっとも前に進まない



櫂を手放したわたしは



腕がすっかりくたびれた



これがこれが大変なこと



すっかり体が記憶した




どうして櫂を手放したか



わかってくれただろうか



再び櫂を手にしたとき



その重さを知ることだろう






0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】
本サイトの詩からピックアップして2011年に自費出版したオリジナル詩集。購入をご希望の方は画像をクリックしてメッセージフォームからお知らせ下さい。