水門

水門





草をちぎり



青は匂い立つ



手から離れ



水面(みなも)に散る



草はそこに



漂っている



赤き水門は



がんと動かない



魚が二匹



続けて跳ねた



草は波紋に



揺れている



きみではなく



それはぼくだ



揺れ漂う



ちぎれた草



開けねばならぬ



赤き水門を







詩集『ふじちょう』をamazonで購入