千千(ちぢ)の影

千千(ちぢ)の影






地に落ちてなお



咲き乱れる椿よ



形を留めているのは



はて無念か成就か



落ちて間もないものは



傾きゆく太陽を見



踏み潰されたものは



無限の絵画と化す



鴉(からす)がわっと鳴くや



赤い影がまたひとつ



人知れずよろめいて



足は交互に道を択ぶ







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