月明かりの裏通り

月明かりの裏通り







路地から路地へ迷い込む



猫のような足取りで



世間の目を盗み歩き



月明かりだけ頼る日々



やさしい主人がいる奴は



表通りを颯爽と



ちらりとこちらを見やっては



すました顔で通りゆく



ドブの金魚に狙いつけ



足を滑らせずぶ濡れさ



焼き鳥屋で乾かせば



煙に巻かれて散々さ



いつかは陽の目を見るなんて



千鳥足でぼやいてる



柳の葉っぱを毟り取り



かじると苦い味がした







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