さし風(かぜ)

さし風(かぜ)







なまぬるい風を受けても



なんとも思わなくなった日



融けた重みで雪が



僕に覆い被さった



這い出るためにもがき



再び息をしたとき笑った



冷たい頬の感触が



ひりひりと神経を撫でた



生きている不思議と



生かされた不気味に



みるみる雪は消え果て



風が通りすぎていった



やわらかな風ではあったが



もうなまぬるい風はなかった







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