砂のからだ

砂のからだ







砂でできた私のからだ



些細な風で削られる



誰かに囲まれ守られて



からだは形を保っている



なのにみんな居てくれず



好きなところへ行ってしまう



残された砂の塊は



吹きつける風に削られてゆく



あぁ私はどうなるのだろう



このまま消えてしまうのか



仮初めに囲いを作っても



拒絶の風は爪を立てる



砂はますます飛んでゆく



私はまもなく消えるのだ




砂の塊はなくなった



海の彼方へ行ってしまった



私は消えてはいなかった



残った私は海を見る



私のからだは砂ではない



海風を受けて立っている



拒絶の風なんかでは



私のからだは消えはしない








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