本丸跡

本丸跡







季節外れの雪華(ゆきはな)が



はたりはたり降るように



本丸跡の平地(ひらち)には



散り遅れた桜舞う



足音久しい石段の



登る二つの影があり



砂が混じった案内の



小さな文字に寄りかかる



人には人の時機があり



時には時の人がいる



本丸に聞こえた衣(ころも)擦れ



いまや青葉の歌ばかり



変わることの無い風よ



風を誘(いざな)う道はきみ



埋(うず)もれた石を踏む影に



またひとつ雪が散る








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