森の中の信号

森の中の信号







真夜中の森を



列車が突き進む



まばらな街灯が



きらりきらり切り裂く



ぐぐぐと急に



前のめりになった



窓から洩れる灯が



木の葉をくっきり映した



信号が赤ならば



進むことを拒める



青にならなければ



森のオブジェになる



いっそそれもよい



どうせ明日(あす)も地球だ



車掌の声がして



車輪が回り始めた








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