止まった温度計

止まった温度計







旅人は目を細め



砂漠を歩いている



風に舞う砂が



太陽に溶けてゆく



日陰のある建物で



婆やがソーダを飲む



旅人はその中で



地中海の夢を見る



人はいつでも乾杯した



温度計は確か



二十六度であったか



いつの頃か靴には



砂が入り込んでいた



日陰の部屋には



温度計はなかった








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