ゴミ棄て場を通ったら
見覚えのある人形
それは十年前の僕
薄汚れてうな垂れる
重い体を引きずって
連れ帰ったはいいものの
汚れを拭き取ったあと
どうしたものかわからない
頬をぱしぱし叩いたり
こちょこちょくすぐってはみても
目をずっと閉じたまま
眠ったようにうな垂れる
それは十年前の僕
それは今の僕ではない
あらゆることは変わっても
僕は僕であり続ける
ふと目を離していたら
十年前の僕はいない
生きるのはどうしてこんなに苦しいのだろう、つらいのだろう。いえ、だからこそ喜びを感じることが出来る。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。
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