カモメの影

カモメの影






泳げるはずだと


幻想をいだいて


飛び込んだ海は


寛大ではなかった


必死にもがいて


へとへとになって


小さな岩の上に


よろよろと上がった


どこへ行くつもりか


方向感覚もなく


見渡す気力もなく


空のカモメを見る


それでももう一度


飛び込まねば


カモメのようには


飛べないのだから










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