目線の先

目線の先






弱い自分が


目の前にいる


惨めな自分が


そこに立っている


どろんとした目で


彼はこちらを見る


呻き声を出して


こちらをじっと見る


彼とは目線を


合わせてはいけない


存在していることを


知っているだけでいい


合わせるべき目線は


彼の向こう側だ


自分がこれから向かう


彼の肩ごしにある先だ









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