源流

源流






海へと注がれる川は


黒く疲れきっていた


クサガメは休み休みして


上流へと向かっていた


川の両岸にはずらりと


丸や四角の穴がある


黒い水は絶え間なく


川へと垂れ落ちていた


クサガメは休み休みして


上流へと泳ぎ続けた


やがて川の両岸には


瑞々しい土と草


空には倒れかかるほどの


蒼々とした樹々の歌


いつしか川はクサガメの


足をきらきら濡らしている


すべてにはじまりがあるのなら


おわりを変えれるかもしれない








2014.9.18

0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』をamazonで購入