ぼっくいと歯形

ぼっくいと歯形





フクロウが寝床へ入り



アサガオが目を開けた頃



きみはようやくその体を



微睡(まどろ)みへと引き渡した



ほんのさっきまではまるで



蛇がぼっくいに咬みつき



まったくの虚しい歯形を



食い込ませているように



いつまでも断ち切れぬ未練を



部屋の中へ燻(く)ゆらせていた



太陽がカーテンを浸し始めて



白い絵の具が垂れ出すと



くっきり見えていた絶望の



輪郭はぼかされてしまって



こうやって人は騙され続けて



よちよちと歩いてゆくのだ






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