おもちゃのプロペラ

おもちゃのプロペラ





ぼくは最初から壊れていた



たとえ誰かの手によるものだとしても



元々が欠陥不良品だったとしても



最初から壊れていたのだった



そうとは知らずにいたものだから



運よくプロペラが回り始めたとき



思った以上に出来が良かったもので



みんながみんな期待をしてしまった



そうして当たり前に周りが弱まり



当たり前に止まってしまったから



なぜだなぜだどうしてだと



みんなうろたえがっかりしたのだった



そうじゃないんだそうじゃないんだ



ぼくは最初から壊れていたんだ



止まったままのおもちゃのプロペラ



指でぐるぐる回してみる






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