流氷の狭間で

流氷の狭間で






冷たいもの同士が



ひしめき合う中で



互いに傷つけ合い



体温を失ってゆく



時折白い海鳥が



その上で羽根を休め



どこかで衝突があると



ついと飛び去ってゆく



誰も戦戦恐恐として



かじかみ震えながら



透き通るアクアブルーの



清冽さを忘れている



いっそ砕けてしまえば



思い出せるだろうか



海水が洗う断面の



穢れなき清冽さを







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