白い左腕

白い左腕






ぼくの左腕が



焼却炉の中で



真っ赤に染まり



あるいは煙になり



最後に残ったのは



細く白いものだけで



一緒に入れたはずの



立派なカブトムシは



どこかへ行ってしまい



少しうろたえるように



白い左手の指は



熱の残る夢を



暫(しばら)くまさぐっていた








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