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足りない気がしてる



外れたボタンのように



つと溜め息が出てる



水底のアブクのように



駆けても駆けても



スローモーションのようで



そのくせ気がつくと



宇宙を旅したようで



取り逃がしたあしたは



きのうへと去ってしまい



それなのになぜか



落ち込むこともなく



握った右手をひらけば



花が出てくるものだから



きっときっときっと



そうやって数える二十八








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