薄い紙が舞う中で

薄い紙が舞う中で







言葉が軽くなった



時代が成熟したんだ



使い捨ての薄紙は



あらゆる所で屑になる



「愛している」は



コピー機にかけられ



「死んじまえ」は



街頭で撒かれる



ひとたび風が舞うと



それらは飛び散って



誰かがしかめ面で



ゴミ袋に入れる



軽くなったのはきっと



言葉なんかじゃない



熟しすぎた時代が



がらんどうなんだ








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