過失の火

過失の火







ほんの些細な苛立ちに



手を出してしまった神無月



倒れた蝋燭の炎は



赤い絨毯を焦がしてゆく



火は舐めるようにして



視界の中を広がってゆく



取り返しはつきませぬ



古城の隅で老婆が言う



南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏



そうして人は過ちを繰り返す








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