一度きりのあとで

一度きりのあとで








瞬間移動してみたら



エッフェル塔の上にいて



鉄骨のひとつに座り



パリの街を眺めていた



街路樹とか建物の



陰が右から左へと



地面を濡らすようにして



時が静かに過ぎてゆく



僕はここからどうやって



下へ降りればいいのだろう



足をぶらぶらさせながら



夕暮れ待ちの空を見る



親と子どもが手をつなぎ



路地の奥へと消えてゆく



瞬間移動は一度きり



まもなく地平に日は沈む










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