鬼門

鬼門






振り返ればそこに


必ず鬼がいた


落とし穴にはまると


肩で笑っていやがる


穴から這い出ようとし


体を乗り上げると


大きな足で蹴られ


また穴へ転げ落ちる


ゲラゲラと笑う声を


歯をかみしめながら聞き


何度も地面を叩いて


血が滲むのを感じる


耐えろ耐えるんだと


何度も言い聞かせて


穴の上に見える空を


じっと睨みすえている










0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』をamazonで購入