城普請

城普請






砂の城をつくれという


労働者はくちごもる


立派な城が建とうとも


所詮それは砂の城


大河に飲まれてしまったら


もろとも崩れ去るだろう


労働者は知っている


知っていても語らない


語れば城主は臍(へそ)を曲げ


彼を追放するだろう


出来上がった城の窓


団扇をあおいでいる城主


労働者は振り向かず


次の現場へ急ぎ足








0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』詩的ぶるぅす集【税込550円】

詩集『ふじちょう』詩的ぶるぅす集【税込550円】
2011年の自費出版オリジナル詩集。購入をご希望の方は画像クリックでAmazonから(購入できない場合は運営までお問合せください)▶お問合せ