若枝

若枝






重力に逆らって


梅の木が伸びる


それを知ることなく


折れ朽ちた老木


傷みさえもなく


無惨な苔の上


若い枝は芽ばえ


新しい空を刺す


次第に交差するほど


若さに萌え揺れる


いったい彼の中には


どれだけ彼がいるのか


それともそのすべてが


ひとつの彼であるのか


メジロが彼の間を


忙(せわ)しなくくすぐっている








2014.3.14

0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』をamazonで購入