ぼくは気づいている


ぼくの中にいる鬼を


一年にたった一度


鬼を追い出せる日


ぼくはぼくの鬼を


追い出しはしなかった


逆に手を差し延べて


握手を交わしたのだ


大切な物を失った時


大切な人を失った時


ぼくはぼくの鬼を


責め立てることだろう


もし鬼がいなければ


ぼくは誰を責めるだろう







2014.2.3

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