鈴を鳴らして

鈴を鳴らして






一年でもっとも


多忙な一日


夜が明ける前に


鼻は寒さで赤く


冷たい地面が


つま先にかみつく


重い荷物を引いて


どれだけ走るのだろう


体は悲鳴をあげ


脚は崩折れるだろう


宿命であることを


まだ受けとめられず


それでもかろうじて


立っていられるのは


荷物の中身が


人を幸せにすると


笑顔を見るたび


沁みるからだろう







2013.12.25

詩集『ふじちょう』をamazonで購入