ちぎれた百合

ちぎれた百合






ちぎれた百合が


波間に浮かぶ


時おりざぶりと


姿をかくす


真冬の海は


鈍く重たい


ふたたび百合が


姿を見せる


白い花弁は


カモメのようだ


もしも南の


島に着いたら


きっと少女が


拾いあげる


そして可憐な


花へと変わる







2013.12.17

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