硝煙

硝煙





一番星を射ち落として



家まで持ち帰ったらさ



灰の塊みたいになって



光なんてどこにあるか



真ん中の辺りには



弾の跡が残っている



どうしても手に入れたくて



射ち落とした一番星



手に入った途端にもう



一番星ではなくなった



元に戻そうと思ってさ



夜の空に投げたんだ



くるくると弧を描き



地面の上で音を立てた



ばらばらになった灰の上で



星々が冷たく光っていた





0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】
本サイトの詩からピックアップして2011年に自費出版したオリジナル詩集。購入をご希望の方は画像をクリックしてメッセージフォームからお知らせ下さい。