ビラ配り

ビラ配り




見よ!この握り潰された様を



見よ!こちらは足跡の烙印だ



どれほどの愛情をもってしても



世に放たれたその瞬間から



すべての色彩が失われるのだ



待ちわびた春が目覚めるように



再び色彩が戻るまでの間



作品の命は預けられる



冬の終わりを操れぬように



我々にはどうにもできない



色彩が戻らなければ



握り潰され足跡がつく



色彩が鮮やかに戻れば



永く陽の光を受けよう



そのための術(すべ)はわからない



わからないのがはがゆいのだ






0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】
本サイトの詩からピックアップして2011年に自費出版したオリジナル詩集。購入をご希望の方は画像をクリックしてメッセージフォームからお知らせ下さい。