都のトンビ

都のトンビ





寂しいくせに寂しいと



言えぬは男の性質(さが)なのか



ひとり見知らぬ土地土地を



渡るも紛(まぎ)らすゆえなのか



都(みやこ)に旋回するトンビよ



お前ならわかってくれるかい



試しに鳴いたその声も



喧騒が掻き消すことだろう



いくら強がってみたところで



誰もお前に気を留めぬ



それならせめて一度くらい



寂しいと鳴いてみるがいい



そしてお前はまたひとり



北の空へと帰ってゆくのか







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