甲羅の小鳥

甲羅の小鳥





ことあるごとに亀のように



甲羅に身を隠していたら



全然前に進んでやしない



小鳥が上に乗っただけで



びくりと手足を引っ込める




俺は甲羅の中で考える




このままこうしていたって



それはそれでいいじゃないか



あとはこの中で朽ちるのさ



そうかこの中で朽ちるのか




勇気ってやつはきっと



希望からは生まれない



勇気を振り絞るのは



絶望にいるときだけだ




背中の小鳥は飛び立った






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