ミイラ

ミイラ






いつまで僕はこのミイラを



背負えば気が済むだろう



眼は嫉妬心で窪み



両手は問い糾(ただ)す恰好で



足掻く足指はひん曲がり



背中は頑として丸まっている



そういえば君はいつだったか



逃げるように走り去ったね



僕はこの頃やっとわかった



このミイラを見て逃げたんだ



ミイラに気づいてからでも



振り払うことが出来なかった



なぜならミイラは紛れもなく



もう一人の僕だったのだから



絡みついたミイラの腕を



いま少しずつ剥がしている







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