ミイラ

ミイラ






いつまで僕はこのミイラを



背負えば気が済むだろう



眼は嫉妬心で窪み



両手は問い糾(ただ)す恰好で



足掻く足指はひん曲がり



背中は頑として丸まっている



そういえば君はいつだったか



逃げるように走り去ったね



僕はこの頃やっとわかった



このミイラを見て逃げたんだ



ミイラに気づいてからでも



振り払うことが出来なかった



なぜならミイラは紛れもなく



もう一人の僕だったのだから



絡みついたミイラの腕を



いま少しずつ剥がしている







0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】

詩集『ふじちょう』─詩的ぶるぅす集─【税込550円】
本サイトの詩からピックアップして2011年に自費出版したオリジナル詩集。購入をご希望の方は画像をクリックしてメッセージフォームからお知らせ下さい。